トラブル急増!?
「デジタル遺品」の生前整理が必須なわけ

デジタル遺品」の生前整理が必須なわけ

スマホやパソコンは普及と共に多機能化が進み、今や金銭管理も端末1台で完結する時代です。最近では、ネット取引対応の有残高証券口座数の約40%を60歳以上の名義人が占める(日本証券業協会調査より)等、高齢者の生活も着実にIT化の波に飲まれています。

同時に問題視され始めているのが、生前の端末やネット利用で形成される「デジタル遺品」の存在です。今後の生前準備では、相続対策と同時に、持っているスマホやパソコンの中身の整理も意識しなくてはなりません。
では一体、「デジタル遺品」の何が問題で、具体的にどんなことを実践すればいいのでしょうか。急増する死後のトラブルの内容と原因を中心に、以降で詳しく解説します。

デジタル遺品とは

デジタル遺品とは、亡くなった人が保有・管理していたデータの総称です。故人の端末やネット上の利用契約と紐づき、無形物でありながらも個人性を強く帯びていることから、家具家電や文具等と同列に「遺品」と表現します。
以降で紹介するのは、1人ひとりの日々の生活で生じるデジタル遺品の典型例です。ここでは性質別に4種類に分け、それぞれ死後行われるべき望ましい整理方法を紹介します。

端末内に保存されているデータ

デジタル遺品として最初に挙げるのは、生前使っていたスマートフォン・パソコン・外部メモリ(CD-RやUSBメモリ)の中に保存されているデータです。
下記の例の通り、端末内データは言うまでもなく個人情報にあたります。遺品整理の際は、思い出のあるデータのみ遺族の端末にコピーする等して、端末初期化(※)によるデータ全消去を実施するのが基本です。

  • メール、LINEのやりとり
  • スマホのカメラで撮った写真や動画
  • パソコンに取り込んだ写真や動画
  • 趣味あるいは仕事で作成した文書やイラスト
  • ブラウザのブックマーク(お気に入りのサイト)

※ 端末初期化とは

工場出荷時、つまり購入直後の真っ新な状態に戻す操作を指します。

クラウドストレージ内のデータ

クラウドストレージとは、ネット上にある記憶領域を指します。ログインIDとパスワードさえあればどの電子端末からでもアクセスでき、設けられた容量を限度に任意のデータを保管できるのが特徴です。
ストレージの提供名や主な利用目的は様々ですが(下記参照)、遺品整理の考え方は端末内データと基本的に同じです。ただ、個人に属するデータは削除する一方で、職場や趣味の活動で共有されていたデータは返却する等、生前の利用状況をよく確かめて対応しなければなりません。

主に端末バックアップ(※)のためのクラウドストレージ
iCloud、Google Drive、One Drive、等
主に任意のデータの管理・共有に使われるクラウドストレージ
Evernote、Dropbox、等

※ 端末バックアップとは

本体の故障または紛失に備え、中に入っていた写真等のデータだけは取り戻せるように、あらかじめ何らかの記憶領域にコピーしておくことを言います。

ブログやSNSのアカウント

電子端末の使い道として多いのは、ブログやSNSの利用です。そして、利用のため必要なアカウント(=ユーザー識別情報)と既存の投稿内容は、いずれも「デジタル遺品」になるものです。
やはりサービスは様々ですが(下記参照)、いずれもIDとパスワードを使ってアカウントの登録情報を見ると、故人の本名やクレジットカード番号等が確認できてしまいます。そこで、遺品として整理する時は、思い出の投稿だけコピーして取っておき、アカウントは削除もしくは閉鎖するようサービス提供事業者に依頼しなければなりません。

SNSのアカウント
Twitter、Facebook、Instagram、mixi、等
ブログのアカウント
はてなブログ、Amebaブログ、ライフドアブログ、note、等

【参考】追悼アカウントとは

FacebookまたはInstagramにあるアカウントは、専用フォームから保有者の死亡を知らせることで「追悼アカウント」に変更できます。変更処理後のログイン操作は一切出来なくなりますが、ユーザーページは公開された状態で残り、かつアクセスした人に死亡が伝わる外観になります。

その他コンテンツ利用のためのアカウント

ウェブ上では、動画を観る、音楽を聴く、買い物するといった様々なサービスが利用できます。各種サービス利用のためのアカウント、そしてアカウント単位で管理される利用履歴等の情報も、やはり「デジタル遺品」です。
その整理方法は、基本的にブログやSNSに準じます。つまり、クレジットカード番号等の登録された情報を保護するため、アカウントの削除または閉鎖をサービス提供事業者に依頼します。なお、定期的に請求がかかる有料サービスに関しては、出来るだけ早く解約して余計な支出を防がなくてはなりません。

ショッピングモールのアカウント
Amazon、楽天、等
各種コンテンツ配信サービスの利用アカウント
Netflix、Apple music、Spotify、等
その他のコンテンツ利用のための利用アカウント
各種電子新聞、レシピサイト、ウェブ会議ツールの利用権(ZoomやSkype)、等

電子管理する金融資産

デジタル遺品として最も重要性が高いのは、電子管理する金融資産(もしくはそれに類するもの)です。これらは遺品ではなく相続財産と呼ぶべきであり、その意味で「デジタル遺産」と呼ばれることがあります。
具体的には下記のようなものがありますが、整理の際は「実体のある資産」(紙の通帳がある預金口座等)とほぼ同じ手続きが必要です。つまり、残高証明や資産移管につき、取引先である銀行・証券会社・資金移動業者等に依頼しなくてはなりません。

預金を管理するネット口座
ネット銀行の預金口座(※1)、無通帳型に切り替えた預金口座(※2)
投資目的で利用するネット口座
ネット取引専用の証券口座、仮想通貨の取引口座
キャッシュレス決済
交通系ICカード、バーコード決済アプリ(PayPayやLINE Pay等)
上記以外
買い物で貯まるポイント、航空会社のマイル、仮想通貨の「ウォレット」

※1の例:楽天銀行、住信SBIネット銀行、PayPay銀行、等

※2の例:三菱UFJ銀行の「Eco通帳」、みずほ銀行の「e-口座」(みずほダイレクト通帳)、等

デジタル遺品を巡るトラブル

デジタル遺品の整理では、実体を持つ資産にはない「秘匿性」がネックになります。相続人が整理を試みてくれるならまだしも、スマホやパソコンの中身が「遺品」や「遺産」になるとは少しも思わず、不適切な処置をとってしまうケースも珍しくありません。
こうした背景事情から、実際に下記のようなトラブルが増えつつあります。

端末ロックが解除できない

特によく耳にするのは、端末ロックに阻まれて中のデータに一切アクセスできず、遺品整理や財産調査が進まなくなるトラブルです。
遺族はまず「可能性のある番号を片端から入力してみよう」と考えますが、この手法は基本的に通じません。何故なら、一時的に完全にロックされるだけならまだしも、データが全消去されてしまう恐れがあるからです。左記機能を持つ機種の代表例として、国内シェアの約70%(※)を占めるiPhoneやiPadが挙げられます。

※ 2021年5月発表の統計データより

(調査 StartCounter:https://gs.statcounter.com/os-market-share/mobile/japan

そうかと言って、専門業者に依頼しても、ロック解除またはデータ復元に成功する保証はありません。技術そのものが「製品の信頼性」を理由に公開されていないためです。メーカーに至っては、いかなる理由でも「端末の中身の確認には対応しない」と冷淡な対応を取っています(※)

※ 「米司法省、iPhoneのロック解除要求」

(日経電子版:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54347420U0A110C2000000/)

ネット口座の場所が分からない

次に多いのは、ネット上に預貯金や証券類があるとは知るものの、肝心の場所(=金融機関)がなかなか判明せず、結果として相続手続きが遅延するトラブルです。

ネット取引に特化した各種口座の利点は、いつでも・どこでも電子端末を使って残高照会等の手続きができることです。そのため、口座名義人向けの案内を紙で行う必要性は低く、経費削減のためにも最大で年2回程度まで(※)しか郵送されないのが普通です。郵送物を受け取った名義人も、不要と判断すれば早々に破棄してしまいがちであり、遺品に金融機関名が記載された資料が残る可能性はほとんどありません。そうなると、金融機関名を確かめるための残る手段は、スマホやパソコンの利用履歴の確認のみとなります。つまるところ辿り着くのは、先述の端末ロック解除の問題です。

※ 一般的なネット取引専用口座で発行される紙の資料は、口座開設時の「ウェルカムレター」と年間取引報告書のみです。

税務調査まで資産の存在に気付かない

適切に整理できるよう対策されなかったデジタル遺品は、結果として相続人に経済的損失を負わせることもあります。起こり得るのは、税務調査をきっかけに「実はへそくり用のネット口座があった」「海外口座に仮想通貨があった」等と気づき、結果として追徴課税が賦課されてしまうトラブルです。

原因の多くは、使っていた端末の利用状況確認がろくに行われず、遺族によって早々に本体ごとデータが処分されてしまったことです。
相続人による遺産調査がおろそかにされる一方で、管轄税務署では「保有者が死亡しているのに相続税申告がない財産」を予知・把握できるシステムを整えています。過去の申告データを集約した「国税総合管理システム」(KSKシステム)を使用する等して、所有者が死亡しているにもかかわらず税申告のない資産を探し出せるのです。

【参考】「国税関係業務の業務・システム最適化計画」

(平成24年2月10日改訂版:https://www.nta.go.jp/information/attention/data/saitekika/02.htm

放置されている間にハッキング被害に遭う

損失を被るトラブルとしてより危険なのは、ネット上にある遺品が不正アクセスに遭い、迷惑行為や犯罪に流用されてしまうものです。

被害に繋がりやすいのは、データに長期間アクセスしない状況です。典型的な例として、削除の必要性が理解されないまま放置されたSNSアカウントが考えられます。
このように、保有者に放置され、アクセス履歴の監視も行われていないようなデータは、原始的で時間のかかる「辞書攻撃」や「総当たり攻撃」(ブルートフォースアタック)といったサイバー攻撃すら容易く成功してしまいます。

【参考】辞書攻撃・総当たり攻撃とは

多様化するサイバー攻撃手法のうち、セキュリティを突破できるまでパスワード入力を何度も試行するタイプのものを指します。意味のある単語をリスト化して入力する手法を「辞書攻撃」、考えられる文字の組み合わせを全て試す手法を「総当たり攻撃」と呼び分けます。

遺品整理を巡って法律トラブルに発展する

厄介なのは、デジタル遺品の整理を巡って争いに発展するトラブルです。
起こり得るトラブルを大別すると、「相続人同士のもめ事」と「勤務先等の第三者からの苦情」の2類型に分かれます。後者に関しては、民事・刑事両面でのリスクが高いと言わざるを得ません(詳細は下記参照)

【トラブルの例1】無断で遺品を処分する

相続人の数が2人以上に及ぶ場合、相続財産は遺産分割が済むまで共有物として扱われます。そして、変更または処分を行う場合、共有者つまり共同相続人全員の同意が前提です(民法第251条)
上記規定に関しては、デジタル遺品も例外ではありません。帰属先について共同相続人が合意していないにも関わらず、端末初期化・売却あるいは破棄といった行為を独断でやってしまうと、親族同士で訴訟もあり得るほど激しくもめることになります。

【トラブルの例2】同居家族等が遺産を横領する

同居家族やIT技術に詳しい家族は、そうでない人に比べ、容易くデジタル遺品にアクセス出来てしまいます。そこで、遺産分割が終わっていないのに被相続人名義のネット口座等から自分の口座に残高を移す等、相続財産の横領を図られるトラブルが起きがちです。
発覚すれば、あまりに不用意で悪質だと捉えられ、不当利得返還請求権あるいは遺産分割請求権に基づく訴訟に発展します。

【トラブルの例3】第三者から預かったデータを処分する

より悪いのは、会社等の第三者に権限のあるデータを、そうと気づかず(あるいは故意に)無断で複写または処分してしまうケースです。もしものことがあれば、不正競争防止法における「営業秘密」(第2条6項)だったと立証される等して、問題の遺族に損害賠償義務が生じてしまいます。状況によっては、不正アクセス行為(法第2条4項)や横領・窃盗の罪に問われ、実際に処罰される可能性すら考えられます。

故人が秘密にしたかったことが知れ渡る

人によっては最も深刻なのが、死後もずっと秘密にしたかったことが遺族に知られたり、遺族が勝手に端末内のデータ等を公開してしまったりするトラブルです。
もっとも、上記のような事態は、身内に遺品整理を委ねる限り避けられません。基本的には、たとえ知的財産権で保護されるようなものでなくとも、「端末本体の所有権に基づいて中のデータも自由に扱える」との法的解釈が出来るからです(※)

※ 相続人の「データ・オーナーシップ」にかかる解釈

電子データは無形物であるため、所有権の概念は生じない代わりに(平成27年8月5日東京地裁判決)、「利用をコントロールできる事実上の地位」が生じるとされています。
総務省で「データ・オーナーシップ(https://www.meti.go.jp/press/2019/12/20191209001/20191209001.html)」と呼称される上記の地位は、相続開始によって当然承継されるものと解釈できます。残る問題は、地位の前提となる「アクセスの適法性」ですが、そのデータの入っている(もしくはアクセスできる)端末自体の所有権の承継をもって、適法性の要件もクリアできます。

生前のうちにデジタル遺品を整理する方法

ここまで紹介したデジタル遺品を巡るトラブルには、共通の原因があります。それは、生前のうちに「自分のスマホやパソコンの中に何があるのか」「それをどう整理すればよいのか」を全く伝えなかったことです。
翻って「デジタル遺品の生前整理」とは、具体的に何があるか自分で見直し、遺品整理の担い手に必要な情報(表参照)を与えることだと言えます。残る問題は情報の与え方ですが、表の後に紹介する手段が検討できます。

遺族に伝えるべき内容
(重要度が高い順)
具体例ポイント
① デジタル遺品の場所
  • 金融機関名
  • コンテンツプロバイダ名
  • データの権限が誰にあるか(故人or勤務先等の第三者)
アカウント削除or閉鎖、データ消去、相続手続き等にあたって最低限必要な情報
② 端末ロックの解除方法
  • 暗証番号orパスコード
  • 端末データの復元方法
①が不明でも、左記情報があれば特定に至る可能性が高い
③ 遺品整理時の希望
  • web上での死亡告知
  • データを確認せず端末初期化
確実に実施してもらいたいなら、死後事務委任契約がベスト
④ セキュリティ情報
  • ログインID&パスワード
  • 2段階認証(※)の方法
生前は堅く秘匿すべき情報であるため、信頼できる人(弁護士等)に託すのがベスト

※ 2段階認証とは

端末メーカーやウェブサービス提供事業者が設ける、アカウント利用時の本人確認システムを指します。当該認証が導入されているアカウントでは、登録電話番号へメッセージが送信される等して、ログイン操作をする度に本人であることを知らせるよう促されます。

遺品情報をまとめたメモを作る

デジタル遺品に関する情報をごく簡単に伝える手段としては、必要な内容をメモにまとめて死後見つけてもらえるようにする方法が考えられます。

ただ、認知症になって自分で上手く管理できなくなったり、死後の手続きの混乱に紛れて散逸してしまったりするリスクは十分考慮しなくてはなりません。作成したメモは重要書類として扱い、保管方法に注意しましょう。

エンディングノートを作成する

同様に、死後伝えたいことをまとめた「エンディングノート」の中に、デジタル遺品の情報を記載しておく方法が考えられます。

ここで注意したいのは、「エンディングノート兼遺言書」の形式です。
確かに、自筆証書遺言の形式(民法第968条各項)が守られていれば、法律上の効果が発生します。しかし、書き記した場所の意図が他人に伝わるかどうかは別問題です。相続人が確認した時、封印もされず終活全般の内容に併記されているとなると、習作あるいは別人が書いたもののように見えてしまっても、仕方ありません。
遺産分割に関する意思(ネット口座や仮想通貨等)は、別途「公正証書遺言」を作成する等、法的効力に疑義が生じない方法で意思を伝えるのが望ましいと言えます。

遺言で遺品整理を委ねておく

メモやエンディングノートの形式に頼ると、扱い方によっては伝達事項を確認してもらえないかもしれません。そこで、貸金庫や法務局等に預けられることの多い遺言書によって、デジタル遺品の整理を依頼する方法も考えられます。
依頼のやり方は2パターン考えられ、1つは付言事項によるもの、もう1つは遺品整理を条件に財産を譲る「負担付遺贈」とするものとなります。ただ、いずれも法的拘束力の面で問題があり、100%確実に遺品整理が実行されるとは限りません(下記参照)

付言事項には法的効力がない
遺言の効力が生じるのは、法律で定められた事項のみです。対する「法定外事項」を記載する場所が、遺言書の付言事項欄です。つまり、ここで何かの指示を出しても、相手が従ってくれるかどうかは気持ちしだいです。
負担付遺贈は放棄しても構わない
負担、つまりデジタル遺品の整理等をやりたくなければ、遺贈を放棄しても構いません(民法第985条1項)。補足すると、「遺贈の目的の価額」が遺品整理の経費を下回っても、負担の内容が達成されません(民法第1002条1項)

死後事務委任契約を締結する

デジタル遺品の生前整理で最も確実な方法は、死後事務委任契約の締結です。
死後事務委任契約とは、葬儀手配や生活費の精算といった「死後事務」につき、生前のうちに合意の上で実施を委ねる契約を言います。その委任事項の1つとして、使っていたスマホやパソコンの整理作業も任せられるのです。

【死後事務委任契約の内容例】※デジタル遺品関連
  • 死後ただちにスマホを初期化、二度と復元できない方法で破棄する。
  • 追悼アカウント設定をする等して、フォロワーに死亡を通知する。
  • 生前利用していた動画配信サイトを解約し、未払金を精算する。

肝心の委任契約の相手方は、信頼できる人なら誰でも構いません。ただ、死後事務は私生活の延長としての性質を持っていることを考えると、専門職(弁護士や司法書士)が適任です。何故なら、職業上課された守秘義務に則り、速やかに委任事項を達成してくれるからです。
特に「故人の尊厳のため秘密にしたいデータがある」等といった場合は、これまで紹介した方法の中でも、専門職と死後事務委任契約を結ぶ方法が最適解だと言えます。

【注意】財産の処分に関することは委任不可

「財産の処分」に関する事項は、死後事務に含まれません。
例えば「ネット口座の残高を相続人AとBに払い戻してほしい」と考えるなら、死後事務委任契約ではなく遺言書で意思を示すべきです。具体的には、口座情報を特定した上で各相続人の取得割合を明示し、払い戻しの手続きにかかる「遺言執行者」を指定する方法をとります。

まとめ

スマホやパソコンの中にあるデータも、有体の資産と同じように死後整理されるべきものです。その種類によっては、不正アクセス被害、追徴課税の発生、民事または刑事上のトラブル……とのように深刻な被害を起こしかねないからです。
上記のような「デジタル遺品」に関しては、セキュリティ機能等の特性を押さえつつ、整理に必要な情報を確実に伝達できる対策が望まれます。

今すぐにでも始められる対策は、家族との十分なコミュニケーションを意識することです。普段から「スマホでこんなことをしている」とヒントを与えておくだけでも、遺品整理のやりやすさは格段に向上するでしょう。

遠藤 秋乃

遠藤 秋乃(司法書士、行政書士)

大学卒業後、メガバンクの融資部門での勤務2年を経て不動産会社へ転職。転職後、2015年~2016年にかけて、司法書士試験・行政書士試験に合格。知識を活かして相続準備に悩む顧客の相談に200件以上対応し、2017年に退社後フリーライターへ転身。

『このコラムの内容は掲載日時点の情報に基づいています。最新の統計や法令等が反映されていない場合がありますのでご注意ください。個別具体的な法律や税務等に関する相談は、必ず自身の責任において各専門家に行ってください。』

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